丸腰の非正規労働者が独立し国際交流を楽しむ。一匹狼で人生を欲望的に生きる一風変わった豊かな生活。

マッサージ後に会った変人の怪しい親切心@ヤンゴン

海外マッサージ体験視察ミャンマー編では、
ヤンゴンで1件のみマッサージサロンへ足を運んだ。

”ゲンキークリニック”というサロンである。
このクリニックは施術者が熟練した視覚障がい者であり、
一般的な薄っぺらいサロンとは一線を画す。

場所はヤンゴンセントラル駅の南側、
市内中心にある”サクラビル”の5階に店舗を構えている。

背の高いビルの少ないヤンゴン市内にあって、
サクラビルは目立つので分かり易い。

しかしミャンマーでは、日本語を使った表記をよく目にする。

 

サクラビルのエントランスに入ったものの、殺伐としていた。
各階テナント案内板もないため、
本当にクリニックはあるのか疑ってしまった。

しかしひと気のない中、意を決してエレベーターで5階に上がると、
ひっそりとゲンキークリニックは存在していた。

DSCN1092

 

中へ入ると、日本語流暢なミャンマー人の受付女性が出迎えてくれた。
色白であまりにも日本人そっくりだったので、
日本人女性かと思ってしまったぐらいだ。

ミャンマーはインドの隣国にも関わらず、
日本人っぽい顔立ちの人らが多いのは不思議でならなかった。

店内は15坪ぐらいだろうか、そのスペースをカーテンで仕切り、
8つほどの施術室を構えていた。

英語と日本語で書かれた簡単なカルテを記入し、
5分ほど待っていると、施術ベッドに案内された。

マッサージメニューは実にシンプルで、全て着衣のまま。
施術時間だけを選択する形だ。

 

施術者は施術時に必要な簡単な日本語を使えるので、
マッサージ中のコミュニケーションは問題ない。

施術の腕は確かであった。
強過ぎもせず、弱過ぎもせず、的確に揉み解してくれる。

やはり手先の感覚が健常者より優れているから、
成せる技なのだろう。

プリフィッショナルを感じ、かなりの満足であった。

 

 

マッサージを終え、ビルの外に出るとすでに真っ暗であり、
中心街にも関わらず人通りは閑散としていた。

ミャンマービールを買ってホテルに戻ろうと思い、
売店の冷蔵庫を見ていると、
見知らぬミャンマー人の男(30才くらい)が話しかけて来た。

私が「ビールを買うところだ」と彼に言うと、
親切心からか、店主にミャンマー語でオーダーしてくれた。

彼に礼を言い去ろうとしたが、彼は英語ができるので、
ちょっと路上で立ち話をした。

ロンジー姿の彼は仕事帰りであり、
また、どうも日本人に興味があるらしい。

”悪い”奴には見えないが、”変な”奴である。

 

私はヤンゴンからバスで北へ3,4時間ほどの場所にある
”タウングー”に、翌日行こうと考えていた。

しかしバスは予約なしで大丈夫なのか、
どこにバスターミナルがあるのか、不明な点が多かった。

そこでこのミャンマー人にその辺を訊いてみた。

すると彼は
「旅行代理店に勤めているから、明朝9時にお店に来てくれ」
と言う。

しかし挙動がおかしく、俄かに信じ難い。
しかもタウングーに昼には到着したかったので、
朝7時にはホテルを出発したかった。

そのため彼の提案を断った。

すると彼は
「よし、それでは駅前に遅くまで営業しているバス会社の
オフィスがあるから行ってみよう」
と言ってきたため、行ってみることにした。

駅前に確かにチケットオフィスはあった。

彼はスタッフにビルマ語で相談してくれたが、
イマイチ噛み合っていない様子だったので、不安に陥った。

やはり同じミャンマー人から見ても、
彼は”変わり者”であるということが判明した。

 

しかしここでは以下の重要な情報を入手できた。

・タウングー行きのバスチケットは現地購入で大丈夫である。
・空港近くの”アウミンガラーバスセンター”から出発。

 

スタッフに礼を言い、オフィスを後にした。

そして変人にも、もう用はないのでサヨナラを言ったところ、

「アウミンガラーバスセンターはごちゃごちゃしてるから、
迷わないように明日私も着いて行ってあげよう」

と言い出し、集合時間の提案をし始めた。

私「それは有難いけど、あなたは仕事があるでしょう?」

変人「仕事は休むから、大丈夫」

私「いやいや、そこまでして連れて行ってくれなくていいよ。」

変人「ビルマ語ができないと、難しいんだって。」

私「・・・それで、見送った後はどうするの?」

変人「あなたと一緒にタウングーまで行くよ」

おいおいおい、冗談ではない。
何故にこんな意味不明な男と旅をしなくてはならないのか。
それだけは勘弁願いたい。

それに一緒に旅するとなると、2,3日は急に会社を
休まなければならないことになる。

恐らく旅行代理店で働いているというのも嘘だろう。
この変人の魂胆は何なのだろう。

 

この白熱した議論を路上で繰り広げていたためか、
通り過ぎる人からの視線を浴びていた。

 

そこで私は彼に直球を投げた。

私「What do you want?(何が欲しいんだ?)」

変人「ただ親切するのが好きなんだ!」

う~ん、そう広く言われると分からなくなる。

しかし、それがたとえ彼の本心だとしても、
彼とは一緒に旅をしたくないという明確な答えはある。

そこで私は迷うことなく、多少強引に話を切り上げ、
ホテルへと引き上げたのだった。

ヤンゴンの不思議な夜であった。

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戸茂 潤(とも じゅん)

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