丸腰の非正規労働者が独立し国際交流を楽しむ。一匹狼で人生を欲望的に生きる一風変わった豊かな生活。

ガンジス川の火葬場と迷路の街にいるゲイ@バナラシinインド

バナラシは海外で最もよく知られたヒンズー教の聖地。
バナラシに訪れる外国人の目的は99%の確率で、
ガンジス川沿いのガート見物だろう。

banarasi

ガートでは、沐浴して身を清める者、
洗濯する者、食器を洗う者たちの姿をよく見かける。

インド人の生活の一部となっていることが伺い知れる。

またそれと同時にガートは、
人間の肉体を自然へと戻す火葬場でもある。

火葬場と言っても、
近代的な火葬場を想像してはいけない。

キャンプファイヤーのようなイメージをしてほしい。

 

バナラシのガートには、
火葬場が10箇所近く存在している。

そしてそれらは、絶えずモクモクと煙を出している。

バナラシのガートには、
インド各地から遺体を持った人たちが集まる。

そして薪を買って、何日も順番待ちしている。

 

十分なお金を持ってないと少量の薪しか買うことができず、
半焼けのままガンジス川に流されることもしばし。

火葬場を見物していると、
頼んでもないのにガートのことを勝手に説明し始め、
「薪代を喜捨しろ」
と要求してくる詐欺師がいるため注意が必要だ。

もし同情心から薪代を喜捨したいと思ったなら、
順番待ちしている遺族に直接お金を渡すべきだ。

インドの観光名所にはウジャウジャと詐欺師がいる。

 

バナラシのガンジス川は中流に位置するため、
茶色に濁っており汚い。

僕が以前訪れた上流に位置するリシケシュでは、
ガンジス川が綺麗だったため沐浴したが、
バナラシでは川に浸ろうとは思わない。

しかし川幅はリシケシュよりも広いため、
川に懐の深さを感じる。

 

 

バナラシの宿は、ガンジス川のガート近くに多く存在する。

僕の滞在したベンガリトラというエリアは、
車も通れないような無数の路地が絡み合っており、
まさに迷路であった。

その狭い路地に人や野良牛や野良犬が行き交い、
かなりエキゾチックな雰囲気。

夜になると路地は真っ暗になり、歩きにくさが増す。

牛の糞も落ちているため、踏んづけることはよくある。

牛の糞ならまだましだが、
たまに寝ている野良犬を踏みそうになることも。

万が一野良犬を踏んでしまって、
噛みつきでもされた日には、たまったものじゃない。

狂犬病に掛かってしまいそうな気配なだけに。

そんな中でも現地インド人は颯爽と歩いていく。

彼らはよほど夜間視力が優れているのだろう。

 

 

宿に到着した日、ちょっと散歩に出かけたところ、
あるネパール人と知り合いになった。

妹が結婚するため、はるばるカトマンズから
高級なバナラシシルクのサリーを買いに来たらしい。

僕が
「この先カトマンズに行く予定である」
ことを話すと、彼は紙に住所を書いて
「ぜひ遊びに来い」
と僕に手渡した。

そして「後で一緒に夕食を食べよう」と約束を交わした。

その前にシルク屋に行くというので、
サイクルリキシャに乗って一緒にシルク屋へと向かった。

僕らの乗ったリキシャは、
ツーリストエリアを離れてどんどん突き進んでいく。

バナラシに到着したばかりということもあって、
どこがどこだか全く分からない。

バナラシはごちゃごちゃしており埃っぽく、
まさにインドのカオスといった感じなだけに。

 

15分くらいで個人経営のシルク屋に到着。

そこは完全なローカルエリアだった。

子供たちも外国人が珍しいからか、
ジーっと僕を凝視している。

ちょっと緊張感が走る。

だがこのアウェーな雰囲気、嫌いではない。

 

シルク屋では商談が始まり、僕にはチャイが振舞われた。

見知らぬ場所で振舞われる飲み物には注意している。

睡眠薬混入というケースがよくあるためだ。

実際にタイで騙された経験が、僕を用心深くしていた。

 

商談の途中、ネパール人の方がメインのお客なのに、
店主が僕に話しかけシルクを勧めてくる。

この店主、物腰が柔らかいため、
押しは決して強くはない。

しかし店主の質問に僕が何か答えるたびに、
うんうんと頷き、ゆっく~りと僕を見つめてくる。

僕に何か売ろうとしている企みなのか、
それともただのゲイなのかよくわからなく、
なんだか異様に気持ち悪い。

タイで実際、
何かとゲイに絡まれたトラウマがあるだけに、
ゲイだとは僕のただの被害妄想かもしれない。

ただどちらにしても、僕にメリットはない。

その空気感に堪えれなくなり、
ネパール人に先に帰ることを伝えて店を出た。

ネパール人とは夜7時に夕食の待ち合わせをしている。

 

店を出たものの、右も左も分からない路地裏。

ガキンチョたちがまた、
外国人である僕を珍しそうに凝視している。

とりあえず適当に表通りへ出て、
サイクルリキシャを捕まえた。

バナラシ到着初日で、
宿のある場所もよくわかっていなかったため、
知っている場所の名前を適当に言ったところ、
通じたようだ。

 

宿があるベンガリトラエリアの近くまできたものの、
そこからの宿への帰り道がわからない。

さらに宿はこの先、迷路の中にあるときた。

思い切って狭い路地に突入したものの、
あっという間に方向感覚が狂い、迷子になる。

普段、方向感覚を失うことなどない僕だが、
このエリアは別格。

道幅が異常に狭すぎて路地に日が差さないため、
基準を探すことができない。

 

終いにはイスラム人移住区に迷い込む始末。

辺りは白いイスラム服を身に纏った男たちばかりで、
彼らの庭でウロウロしている僕をジッと見ている。

これには危険を察知し、
遠回りしてガート側から挑戦したところ、
無事に宿へ生還することができホッとした。

 

19時にネパール人と会うことになっていたため、
待ち合わせ場所へ行ったものの、
15分経っても現れず。

そもそも彼は本当にネパール人なのか?

表向きにはインド人もネパール人も見分けはつかない。

カトマンズの彼の住所は持っているが、
実はこれはフェイクで、
ただ僕をシルク屋に連れて行くための
クサいストーリーだったのか?

答えは見つからない。

 

そんな風に考えると、何だか面倒に感じてきたので、
結局それ以上待つことはせず、僕は宿へと引き上げた。

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戸茂 潤(とも じゅん)

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