丸腰の非正規労働者が独立し国際交流を楽しむ。一匹狼で人生を欲望的に生きる一風変わった豊かな生活。

詐欺師横行、嘘つきインド人たちの手荒な再歓迎に疲れる

インドとネパールの国境、ラクソウルというインド側の町で
サイクルリキシャに揺られている。
ネパール側と比べて、活気が全く違う。
陸路国境超えは、世界観の違いをダイレクトに味わえる。

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半月ぶりのインド。
騒々しく、荒々しいエネルギーに満ちている。
インドモードにスイッチが入り、戦闘態勢のアドレナリンが噴き出す。

 

イミグレで会った中国人女性「イッチ」と、戦々恐々バスターミナルを目指す。
バスでパドナという中級都市に向かうためだ。

バスターミナル到着前に、チケット売り場らしきところでリキシャが停まった。
どうやらここでバスチケットが買えるらしい。

 

ランニング肌着姿のオヤジスタッフにパドナまでの料金を聞いてみた。

オヤジ「パドナまでだと、、1000円だ」

私「2人で1000円なのか?」

オヤジ「いや、1人1000円」

おいおいふざけるな。
ここラクソウルからパドナまでおよそ9時間。

以前利用したデリーとハリドワール間のバスは7時間で300円。
完全にボラれているのが理解できる。

私「2人で1000円なら買ってやるよ!」

それでも高いんだが。

オヤジ「ダメだ。1人1000円だ!」

私「分かった。あんたからは買わないよ!」

 

イッチを連れて、その簡素なチケット売り場を離れる。

オヤジ「ここで買わないなら、お前らどのバスにも乗れないぞ!」
「お前ら路頭に迷って、犬死にだ!!」

すごい剣幕で叫んでいたが、その手には乗らない。
完全に無視。

 

再びリキシャを走らせ、直接バスターミナルへ向かうことにした。

ターミナルは今まで雨が降っていたかのように、地面はかなりぬかるんでいる。
リキシャで来て良かったと思った。

リキシャを降り、彼に料金を払ったところ素直に受け取った。
さすがネパール人、明朗会計だ。

 

パドナ行きのバスを探したところ、あっさり見つかり料金も300円と安い。
闘いに勝利した瞬間であった。
イッチもこの結果にニンマリ顔。

イッチは留学経験のある大学4年生であり、英語が堪能だ。
片や私は英語のような言葉を話す、ブロークンスピーカー。
要するにまともな英語が話せない。

そのため彼女に交渉事は任せようと思っていたが、
蓋を開けてみると、私が全て交渉していた。

インドでは英語ができるだけでは交渉は難しい。
経験からくる判断力や洞察力が必要となる。

もちろん英語ができるに越したことはないが、
彼らは交渉において不当に仕掛けてくるので、
それを見抜く力の方が重要になるのである。

 

バスは定員オーバー気味で、パドナに向けて発車。
一番後ろの5人掛けのシートに6人掛けなので、まともに座れない。

しかも、出発して2時間ほどずっと道は穴だらけのダンシングロード。
バスはボロいためサスペンションは無いに等しい。

身体が宙に浮き、頭が天井に当たることもしばし。
バスの乗客たちは、みんな同じ動きで踊っているように見える。

さすがに酔ってしまい、吐きそうになったが必死に持ちこたえた。

 

約2時間の地獄のダンシングロードというアトラクションを過ぎると、
平坦な道になりホッとした。

途中の休憩所で、イッチがゆで卵を私にくれた。
国境の町でのお礼だろうか、ヒトの温もりを感じる。

私が「おいしい、おいしい。ゆで卵好きだから」と食べていると、
「まだたくさんあるから」と彼女は言い、ゆで卵を勧めてくる。

その袋の中にはまだ6個ほどある。
「全部食べていいよ」と彼女。

2個で良いと思ったが、「ゆで卵が好き」と言った手前引けない。
結局合計5個食べてしまい、また吐きそうになった。。。

 

 

出発から9時間後、バスはパドナのバスターミナルに到着。
インドらしいゴチャゴチャした、カオスなバスターミナルだ。

我々の目的地はブッダが悟りを開いた「ブッダガヤ」という町であったが、
すでに夕方であったため、ここパドナで一泊することにした。

サイクルリキシャを捕まえ、パドナ駅までを値段交渉。
駅周辺には宿がある。
40円で交渉成立したため、2人で乗り込んだ。

 

5分後、パドナ駅に到着し40円払おうとしたところ、
「100円だ!」と彼は言う。

来た来たインド、これだから面倒くさい。

彼の言葉を無視し、彼に20ルピー(40円)を渡すが、彼は受け取らない。
大声で「50ルピー(100円)だ!!」と言うばかり。

この状況のせいで、いつの間にか周囲をヤジ馬が取り囲んでいた。

諸外国と違いインドでは、ちょっと何か変わったことがあっていると、
すぐに人だかりができる。
野次馬国家インドだ。

こうも野次馬に戦況を見つめられては、私も後に引けなくなった。
「正義は勝つ」を見せてやる意気込み。

しかし男は相変わらず40ルピーを受け取らない。

その膠着状態を見兼ねた野次馬の一人が、我々の仲裁に入る。
我々双方の主張を聞く。

私「バスターミナルから20ルピーということでここまで来た。
そうしたらこの男、到着して突然50ルピーと言い出した。彼は嘘つきだ」

そう言い放つとともに勝利を確信した。
なぜならバスターミナルから駅まで50ルピーはあり得ないことは
地元民たちが一番分かっているはずだから。

リキシャの男「いいや、50ルピーだ!」

男には理屈も何もなく、私に分があるのことは火を見るよりも明らかだった。

 

やれやれと思いながらも、第三者のジャッジが下る。

「あなた払いなさい」

「えっ!?」

信じられないことに、その言葉は私に向けて発せられた。

インド人はインド人の味方であったということ。

 

これだけ人がいても、イッチ以外に私の味方はいない。

こうなっては埒があかないので、「FUCK!!」という言葉とともに、
50ルピーを男に投げつけ、その場を後にした。

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戸茂 潤(とも じゅん)

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