丸腰の非正規労働者が独立し国際交流を楽しむ。一匹狼で人生を欲望的に生きる一風変わった豊かな生活。

中国深センの怪しい闇営業ホテルで大爆笑

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深圳に来た理由は街の観察というのもあったが、
香港の高すぎる宿泊代を避けて来たというのもあった。

今回は兄と2人で旅していたので、
香港だとホステルでも2人で1万円近く、
質素なホテルでも1万は軽く超してしまう。

それが中国側へ国境を超えるだけでガクンと値が落ちる。

 

そこで事前調査で”プリンス・イン”というホテルに目を付けた。
何と言っても検閲所のある羅湖駅から徒歩5分
というロケーションが魅力的だった。

またツインで5000円を切る価格というのと、
”シャングリラホテル”が隣接していたため、
先入観で「悪くないだろう」と想っていた。

 

建設路を歩くと、すぐに”王子客棧”という文字を見つけた。
35階建てのホテルなので、見つけるのに容易い。

ホテルの前でしばし立っていると、女性が声を掛けて来た。
そこで私は「ここはプリンスインなのか?」と訊ねた。

「そうだ」と彼女は言い、持っているリーフレットを私に見せた。
確かに「Prince Inn」と書かれたリーフレットだ。

そして彼女は「ここに書いてある価格の半額でいいよ」と言う。
すなわち2人合わせて2000円もしない。

しかし真っ当なホテルが客引きを行うのに疑問を抱いた。

しばらく考えている間に、少し中国語ができる兄が、
彼女と話して盛り上がっており、幾らか空気が和らいだ。

そこで疑問は残るものの、「一度部屋を見せてくれ」と言い、
彼女に着いて行ってみることにした。

 

エントランスを入ると左側にこじんまりとしたレセプションが
あったが、そこには行かず直接エレベーターに乗り込んだ。

「そうかまずは部屋を見て、その後再び1階に来るのだな」
と思っていると、エレベーターは20階あたりに停まった。

事前調査によると、「現在は33~35階までしか部屋は無い」
とあったため、再び疑問が浮かんできた。

そんな中、1つの部屋を見せて貰った。
なるほど部屋は広く、大きめのベッドが二つ。
しかもデスクトップのPCまで備わっている。

しかし事前調査の写真で見た部屋のように
キレイという訳ではなかった。
だが逆に、これで1000円台はお得である。
1夜限りでは全く問題ないと判断。

しかも部屋の中を見ていると、
客引き女性が一人増えて、我々と一緒に部屋を見ていた。

なんか訳がわからないと思うとともに、
この後の展開に好奇心を抱いたため、
この部屋に泊まることを彼女たちに伝えた。

 

すると1階のレセプションに行くのではなく、
同じ階にある5つ隣りの部屋に案内された。

そこには雑多な”エセレセプション”がこしらえてあった。
そしてオヤジが我々を迎え入れた。

「なるほど、ここは闇営業宿だったのか」と理解した。

プリンスインは赤字経営の為に、
33~35階部分以外のフロアを手放したという訳だ。

そして客引きの女性が見せてくれたリーフレットは
プリンスインの本物のリーフレット。

こんな部分営業ホテルは初めてだったので、
あっ晴れという気分だった。

 

チェックイン時、日本人の客が珍しいためか
オヤジは繁々と私のパスポートを見ていた。

恐らく闇営業宿の主な利用者は中国人なのだろう。

狭く片づけられていないエセレセプションに、
6人も人がいたため、窮屈間があった。
しかもリンゴを齧りながら作業していたりと。

まぁ色々と盛り上がったため、それはそれで愉しかったが。

 

 

実はこの部屋には、如何にも中国らしい、
色々な突っ込みどころが隠されていた。

 

まず渡されたルームキーだが、
鍵にぶら下げられたカードに部屋番号が汚い手書き。

しかもそのカードが誰か個人の使用済みの
クレジットカードであったのだ。

 

次にやたら多いクローゼットを全て開けてみると、
なぜか全てのクローゼットにテレビが納められていたのだ。

最初から備え付けられているテレビと合わせ、
部屋には4台のテレビがあるというこの意味不明さ。
思わずツボってしまい、笑いが止まらなかった。

 

一丁前に使い捨て歯ブラシが備わっていたため
使ってみると、毛がボロボロ取れるクオリティーの低さ。

ベッドのシーツは見た目キレイであったが、
横になってみると、なんか湿っぽかった。

 

この調子だとホットシャワーはないだろうと思い、
確認してみると、なんとホットシャワーであり、
しかも水圧抜群で文句なし。

しかし水はけが悪く、そこは不快。

 

内線電話でフロントにドライヤーを要求すると、
すぐに持ってきてくれたが、
「壊れているみたいだから」と言い、モジモジしていた。

「それなら仕方ないね。じゃあいいよ。」
と彼を解放してあげた。

外国人相手なので誠意を見せたかったのだろう。
なんか健気(けなげ)である。

 

外出時、他の部屋のドアナンバーは紙に汚い
手書き数字が書かれているのに気付いてツボってしまった。

彼らに”美意識”というものを全く感じない。

 

中国っぽいセンスの無さと意味不明さを十分に体験できる、
ファニーでユニークな闇営業宿であった。

こういう宿もたまには有りだ、と思ってしまう。

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戸茂 潤(とも じゅん)

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