丸腰の非正規労働者が独立し国際交流を楽しむ。一匹狼で人生を欲望的に生きる一風変わった豊かな生活。

人の目を見るのって”話すとき”でしょ?@ローマ地下鉄

イタリアローマ無料ツアー4日目の朝。
5日目は帰国のための出発日となるので、
終日過ごせるのは今日が最後。
夜にはメインイベントのセリエA観戦が待っている。

 

いつも通り朝食ビュッフェでランチ不要なくらい腹を満たす。
しかし慣れてしまったのか、初日ほどの感動はない。
帰国後の食費200円/日の貧乏生活に戻れるのか心配だ。
まぁそれはそれでまた慣れてしまうのだろうが。

慣れてしまった満足を感じながらカプチーノをゆっくり口に入れる。
しかし食は満たせど何かが満たされない。

この2日間ローマ市街地を散策して回ったが、
何れも観光用に整備されたエリアであったため、
美化されたイタリアしか見ていない。

ニューヨーク一人旅で枠に囚われない感覚の旨みを味わったせいか、
観光エリアという枠が妙に息苦しい。

という訳で日中はローカルエリアに足を延ばしてみることに。
とは言っても情報は何もないため、
とりあえず地下鉄の終点辺りへ行くことに。

ローマの地下鉄は重厚な感じ。
なのでブレーキの音が「ギーッ」という雄たけびを上げうるさい。
NYの地下鉄もそうだったが、発進および停車が荒い。
日本の地下鉄は世界最高のやさしい運転ではなかろうか。

海外の地下鉄のシートはプラスチック製で硬い。
掃除が楽だからと聞いたことがある。
そういえばよく座席に靴をのっけているのを見かける。
日本だと行儀の悪い子供おなじく叱られるところ。

しかし海外地下鉄の薄暗く冷たい雰囲気は嫌いではない。
晴れより曇りの方が落ち着く性質も関係しているのだろうか。
エキセントリックな質だという自覚はある。(笑)

30分ほど走っただろうか、もはや車内に観光客の姿はない模様。
終点近くの適当なところで下車する。
乗客はほとんど降りない。皆終点で降りるのだろう。

人気のない中、地上へ続く階段を上がる。
そこでどうも階段頂上付近を4,5人の不良たちが占拠し、
騒いでいるのに気付く。
我が相棒の中学生ノリも、ヤバい状況を察知したらしく無口になる。
この完全アウェーの地で絡まれたらヤバい、と。

未知の世界でこういう状況に遭遇すると、
本能的にネガティブな思考に陥りやすい。
ナイフでくるか、はたまた銃か?
体内にアドレナリンが出る。
一種の生体防御反応だ。

しかも我々はメディア(映画も含む)によって
未知の世界を創造させられている。
映画によって我々の目に入る外国人不良たちは、
おおよそひどいことをしている。
ひどい奴らでないと映画にパンチ力が出ない。
ホラー映画の見過ぎで、夜が怖いというのも同じ思い込みかも。

不良たちが見慣れないアジア人(我々)を認識する。
盛り上がってた会話が止み、ジーーーっと我々を見ている。
尻の穴が引き締まる。
まるで転校したばかりの学校で、
不良グループの間を通り抜けるような気分。

階段を上りきったところでどこに向かうか考えようと
思っていたが急きょ却下し、そのまま迷いなく歩き続ける。
ここでキョロキョロし、日本語で話でもしていたら、
ローカルの人間でないことがバレてしまう。
(とっくにバレてるだろうが。笑)

とにかく作戦が功を奏したのか、うまくスルーすることができた。
アドレナリンが引いていく。
彼らの心理はわからないが、
どうも興味があって見てただけではないかと。
海外の人間の視線の使い方は日本人とは大きく異なる。
とかく視線を合わせてくる。
小心者にとって、これには慣れない感がある。

 

たどり着いた場所は住宅街ではない。
目の前に大きな道路があり、
周囲は遠くが見通せるほど空き地が広がっている
ローカルの生活環境を感じてたい私としてはミスチョイスであった。

1km先にショッピングモールみたいなものが見えたため、
道路を渡りそのモールに行くことにする。
しかし信号がなく車もひっきりなしに走っているため、
渡るタイミングを計れない。

すると同じく道路を渡ろうとしている年齢80歳くらいの女性が
我々に手招きしているため合流。
するとまるでモーセのように車の波を全て止めて渡って行くではないか。
歩く速度は極めて遅いが、我々も可愛いお婆さんに引っ付いて渡りきる。
お婆さんに「グラッツェ!!」とお礼を言い、軽くハグする。
お婆さんも満足げな様子。
見知らぬところでの親切ほど感謝するものはない。

ショッピングモール内で雑貨やスーパーなどを見て回り、
腕時計などのお土産を購入。
ローカル(イタリア人)しか行かないような店なので、
イタリア語なしで買い物できるのか不安だったが、
女性店員も気持ちの読みあいができる人で問題なかった。
観光エリアでない場所で買い物できたことに達成感がわく。
モールを後にし再びメトロ駅へ。
先ほどの悪ガキどもは消えていた。

颯爽と地下鉄に乗り込み、冒険を終えた安堵感がわく。
しかし何か視線を感じる。
日本語を発する我々に対する興味なのか、何人かがジーっと見ている。
そういえばローマの地下鉄にはスリが多いと聞いたことがある。
立っていたためスラれないように守備を意識する。

するとすぐ隣に立っている十代後半くらいの女の子二人が、
我々をガン見しているではないか。(距離1メートル)
この視線の意味するところが全く分からない。
しかも時々会話してはガン見の繰り返し。
しかもすごい目ヂカラ。

相棒ノリは「ヤバい、ヤバい」言って、変な汗をかいてテンパっている。
先ほどの不良に絡まれるかもといった恐怖感からくる汗ではない。
今何が起こっているか脳が処理できなく、
またどう対処するのか論理が割り出せない感じからくる汗。

人混みが増して多少距離が離れても、まだ視線を外さない。
精神的に追い詰められ疲弊する。
この理解不能な状況を15分ほど耐えた後、
女性たちは地下鉄を降りて行った。

 

我々はここでようやく深い呼吸を取り戻す。
一体なんだったんだろう。
イタリアの日常でよくあることなのか。
答えは分からない。。。

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戸茂 潤(とも じゅん)

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