丸腰の非正規労働者が独立し国際交流を楽しむ。一匹狼で人生を欲望的に生きる一風変わった豊かな生活。

本場のサッカーはココが違う@イタリアローマ

夜7時のキックオフに合わせ、夕方、
ツアー客を乗せた貸切バスが出発する。
今回の無料ツアーのメインイベントであるサッカー観戦、
セリエAのASローマvsペルージャ@スタジオ・オリンピコ。

2002年時点、イタリアセリエAは世界最高のサッカーリーグである。
中田英寿はいまパルマの背番号10を背負っているが、
ペルージャもローマもかつて中田が所属したチームであり、
両チームともに大きな功績を残している。

こんな遠い国で抜群の知名度をほこっているとは大したものだ。
よってスタジアムでは「ナカータ、ナカータ」と
よく声を掛けられることになるのだが。

意気揚々とスタジアムに向かっていると、
「ガシャン!」という音とともに小さな衝撃が体に伝わった。
運転手がバスを停車させ外に降りて行く。
どうやら事故ですな。。

追い越し車が我々のバスのサイドミラーに接触したらしい。
相手方もバスであったが、両方ともサイドミラーが根元から
持って行かれている。
スレスレを走りすぎでしょ。(汗)

こんなときに限って事故とは、、、ついてない。
しかも頭に血が上りやすいラテン気質のため、
外でワーワー言い合っている。
どれくらい事故処理に時間を費やされるのか。

・・・と思っていた矢先あっさり示談成立。
熱しやすい分、冷めやすいってことか?
サイドミラーをぶら下げたまま再び颯爽と走り出す。
いや、バスでサイドミラー片方だけは危ないでしょ。(笑)

トラム(路面電車)と並走する。
そのトラム内に大勢のローマのサポーターが乗っている。
ローマカラーに身を包んだロマニスタたちの中でも、
若い連中はすでに興奮状態に入って合唱しているようだ。
檻の中のサルの如く、バス内の我々を挑発している。
その演出にこちらのテンションも自然と上がる。
と同時にスタジアムが目に入り、さらにテンションが上がる。

 

ついに現地に到着。
チケットを無くさないように握り締め、スタジアム内へ。
通路を抜け観客席にでる。
緑色の芝生が眩しい。そして大きい。

スタジオ・オリンピコは1990年イタリアワールドカップの主会場。
イタリア代表の試合は3位決定戦の試合を除き、
全試合をこのスタジアムで行った。
あのスキラッチやR・バッジオが伝説を残した場所。
また、西ドイツvsアルゼンチンの決勝が行われた場所でもある。

その場所にいま自分がいることが信じられない。
背中がゾクゾクする。感無量だ。
しかもなぜかタダで来ている。
こればかりは”神に感謝”と言わざるを得ない。

我々の席はバックスタンド中段あたり。
ピッチ全体を眺めれるいい位置だ。

スクリーンボードにてスターティングメンバーの紹介が始まる。
ゴール裏に陣取ったロマニスタたちもMCに合わせて声を発する。
MCが選手のファーストネームをコールすると、それに続けて
サポーターがラストネームをコールする。
ロマニスタたちの低く野太い声が、スタジアムに響き渡る。
残念ながらJリーグとは味が違う。

ペルージャのサポーターたちは、
柵で仕切られた一角にまとめられている。
そうでもしておかないと、この熱さではすぐに喧嘩が起き、
死亡者がでてしまうのだろう。

試合開始後、皆、戦況を静かに見つめている。
野次は凄いが、選手の声が聞こえるくらいスタジアム全体は
割と静か。

すると開始10分後、いきなりロマニスタの大合唱が始まった。
これにはびっくり。雰囲気がガラリと変わる。
まるでスタジアムが巨大なオペラ会場にでもなった感じ。
もはやレフリーのホイッスルも聞こえない。

またブーイング時はゴール裏のサポーターだけでなく、
観客席にいるローマファンも指笛を鳴らすため、
耳を劈(つんざ)かれ、脳が悲鳴を上げる。
6万匹のスズメが一斉に鳴いているのと同じ。

またローマのセットプレー(コーナーキックなど)時には、
皆が一斉に足をジタバタと踏むため、スタジアムが揺れる。
これではスタジアムの老朽化が早まってしまうのでは、
と危惧するほどの揺れ。

オヤジどもは顔を真っ赤にし喧嘩腰で喚きたてている。
後ろから何かモノが飛んできそうで怖い。
海外サッカーでは”便器”が飛んでくるとも聞いたことがある。
そういえば以前テレビでバルセロナのカンプノウスタジアムで、
コーナーキックを蹴ろうとした選手に”ブタの頭”が
飛んできたシーンを思い出した。

海外スタジアム入場時のボディーチェックは入念に行われる。
それをどう掻い潜ってブタを持ち込んでるのか。
今回もロマニスタは多くの発炎筒を持ち込んでおり、
おかげで途中ピッチが煙でほぼ見えなくなる事態に。

なかでもローマが得点を奪った瞬間は凄い。
みんなが子供のように喜び、もみくちゃ状態で抱き合い、
なかには足を踏み外し転げ落ちて行く者も。
この時ばかりはゴール裏のサポーター席にいなくて良かったと思う。
たまにスタンドが崩壊する意味のも納得できる。

 

本場のサッカーはスタジアムの一体感が異次元。
選手のプレーやサポーターまた観客が”サッカー”という
一つのエンターテイメントを作り出している。
この部分はテレビでは伝わらない。
実際に体感して初めてわかる。
”知っている”と”経験”の違い。

野蛮ではあるが、熱く楽しいセリエA観戦。
未知の経験に私は大いに満足した。

 

全ての日程を終え、帰国の飛行機のなか。
フィンランド上空でオーロラを見ることができた。
その光のカーテンの揺らぎが、「さようなら」と
手を振ってるように見えたのは気のせいだろうか。

夢のような5泊7日のローマ無料ツアー、ここに幕を閉じる。

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

プロフィール

プロフィール



戸茂 潤(とも じゅん)

プロフィール