地獄バスというネパール恐怖の交通事情
タメル地区から歩くこと30分、ニューバスターミナルに到着。
時刻はすでに18時過ぎなので辺りは暗い。
バスターミナルと言っても、そこはただの空き地で、
本当にここなのかと不安になる。
人を捕まえて聞き込みしたところ、間違いないらしい。
少々早く到着したためか、バスの姿は見当たらない。
20分ほど近くの商店を散策し、空地へ戻ってきたところ、
1台のバスが停まっていた。
バスのドライバーに行先を尋ねたところ、
私が探していたインド国境行きのバスであった。
チケットはカトマンズで有名なアティティツアーで事前購入済み。
この旅行代理店のエージェントであるアティティ氏は日本語堪能。
そのためタメルを訪れる日本人がよく利用するエージェンシーだ。
インドとネパール間の陸路越えは、スノウリゲートが一番メジャー。
インド側の発着地はバナラシになるため、利用客が多い。
スノウリゲートの情報は多く、また悪しき噂はほとんど聞かない。
私もインドからネパールに入るとき通過したが、
特段何も変な事態には遭遇しなかった。
<記事:スノウリ国境越え>
今回も安全なスノウリを利用しようかとも考えたが、
行先がブッダガヤというインド東エリアであったため、
バナラシルートは遠回りになるので諦めた。
というか、同じルートを歩むのは面白くない。
情報のないマーナールートを通過するという冒険心が、
私をビールガンジゲートへ向かわせた。
未知の世界へ向かう、ワクワク感ドキドキ感が堪らない。
安定よりも冒険を好む、全く親泣かせの性質だ。(苦笑)
19時になり、ビールガンジへ向けてバスが出発。
カトマンズから国境の町ビールガンジまでは、およそ10時間。
翌日の朝日が出る頃に到着予定だ。
しかもラッキーなことに乗客は3人しかいない。
横になって寝れるとは、なんとツイているんだろう。
しかしそうは問屋が卸さなかった。
出発から10分後バスが停まると、ゾロゾロとネパール人が
乗って来るではないか。
おかしいとは思っていた。
まぁ途上国では空席がある状態で、バスが運行することはない。
ドライバーの収入は先進国のように固定給ではなく、
歩合給であると聞いたことがある。
そのため絶対に赤字運行しない。
空席がある場合は町をグルグル回り、
人を集めてから目的地に向かう場合もある。
客としては到着が遅れるので、堪ったもんじゃないが。
しかし、これでもかというほど人乗って来る。
通常なら屋根の上に乗る人たちも、夜行で寝る必要があるためか、
皆がバス内に入り込み、すし詰め状態。
しかも私の席はダブルブッキングになっていたため、
2人用の席を大人3人で座る羽目に。
というかまともに座れない。
通路は人で埋め尽くされているので、閉塞感がハンパない。
飛行機のエコノミー症候群なんて可愛いものだ。
この状態で10時間。。。。。。
まさに天国から地獄へ落とされた。
さらに地獄は続いた。
バスはネパール恒例の、断崖絶壁ロードに差し掛かる。
<関連記事:ネパール恐怖のバス移動>
夜なので無茶な運転はないだろうと思っていたが、
真っ暗な山道の中、クラクションを鳴らしまくり、
昼間同様、追い越し追い越せの暴走バスと化してしまった。
この時ほど”黄泉の世界”を近く感じたことはなかった。
身動きが取れない中、冷や汗をかきつつ念仏を唱えていた。(笑)
しかしながらネパール人たちは、皆安らかに寝ている。
とんだ強心臓の持ち主たちだ。
しかしこのバス、一応ツーリストバスとしてチケットを購入したのだが、
私以外、みんなネパール人とはどいうことだろう。
それほどインドネパール間のビールガンジルートはマイナーなのか。
なんか不吉な予感が漂ってきた。。。
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