会社を辞めるには何が必要なのか?
当たり前の話だが、会社を辞めるには上司への相談が必要だ。
相談しようと思った時から、胃がキリキリと痛み出し、
上司に後ろめたさを感じるようになる。
そしてみすみす何日も相談する機会を逃してしまい、
いたずらに時が過ぎて行き、生きている心地がしない。
会社を辞めるには、強い意志が必要であると痛感させられる。
勤続年数が長ければ長いほど動けない。
なぜこんなにも会社を辞めることが切り出せないのか。
やはり日本でこれまで当たり前だった、
”年功序列型”の体質が残っているからだろう。
一生一つの会社で骨をうずめるのが普通だったのだ。
また日本人の”和を尊ぶ”性質も一躍買っているだろう。
同じ会社で働く者は、皆ファミリーなのだ。
さらに日本の会社は海外の会社と違って規則やマナーが厳しい。
そういった観点から、社員同士が”同志”となり、
人と違った行動を取ったりすれば、なにかと咎められる。
一般的に日本の会社は、出る杭は打たれる世界。
空気を徹底的に読まないとやって行けないのだ。
会社を辞めるには、同僚に打ち明けない方が良い。
必ずと言っていいほど、止められる。
同僚はあなたのことを親身に想って、助言を与えてくれない。
同僚たちの本音はこうだ。
”自分は毎日我慢して働いているのに、
その同じ苦しみを分かち合う仲間に去られるのは面白くない。”
一緒にぬるま湯に入った仲間が出て行こうとすると、
「どこへ行く。外は危険だ」と、”有難い”言葉を掛けてくる。
人間のほとんどは自己中心的である。
さらに志を持って辞めようものなら、
時には攻撃さえしてくるものさえ現れるから性質が悪い。
同僚に相談するぐらいなら、会社以外の友人にするべきだ。
同僚には、事後報告でちょうど良い。
ようやく上司への相談が叶ったところで、
必ず思い留まるよう説得される。
なぜならば基本的に部下の中途退職は、
上司の減点となってしまうからだ。
上司の説得に義理や情を覚えるかもしれないが、
残念ながら上司もあなたのことをそれほど想っていない。
あなたのことは、あなたが一番理解している。
誰もあなたを止める道理はない。
会社を辞めるには、覚悟がいる。
覚悟がなければ、同僚や上司の壁を越えるのは厳しいだろう。
しかし覚悟さえあれば、押し通せる。
私自身、これまで何度か会社を辞めてきた経緯があるが、
いずれも強い覚悟を持っていたため、
誰も私を止めることができなかった。
会社を辞めるには、当面の蓄えが必要なことを忘れてはならない。
退社後、数か月は失業保険が適用され、
給与の70%は銀行口座に振り込まれる。
しかし厄介なのは、国民年金と国民健康保険の支払いがあること。
会社を辞めた翌月から、支払い義務が発生する。
健康保険は前年度の給与所得に応じて金額が算出されるので、
金額の大きさにびっくりするだろう。
また住民税に関しては、翌年に請求がどっかり来るので、
それなりに余裕のある蓄えが必要である。
会社を辞めて、次の道を探すにも、
お金の余裕がないと心の余裕がなくなり、
本来とは違う道に走って行ったりする結果となる。
それでは本末転倒だ。
会社を辞めるには、志そうと想っている世界に
あらかじめ片足を入れて様子を見てみることが賢明である。
会社を辞めて一か八か挑戦するということは、
できるだけ避けた方が良い。
一刻も早く、今の会社を辞めたい気持ちは分かる。
経済的に息づまると、身動きが取れなくなるということは
覚えておいてほしい。
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