丸腰の非正規労働者が独立し国際交流を楽しむ。一匹狼で人生を欲望的に生きる一風変わった豊かな生活。

何!?海外旅行に一人で行く意味が分からない?

以前は海外旅行と言えば、団体ツアーがメインであった。

添乗員が大勢を引き連れて回るあれだ。

しかし近年、海外旅行へ一人で出かける数の増加が著しい。

そんな中、世間には海外旅行に一人で出かけることの意味が
分からないという人種もいるようだ。

sishou

とある公園のベンチに腰かけていると、隣のベンチで

若輩の弟子が海外旅行に一人で行く疑問を師匠に問うていた。

そっと私はその会話に聞き耳を立てた。

 

弟子
「一人旅なんて寂しくないですか?」

師匠
「そうじゃな、”寂しくない”と言ったら嘘になる。
でもそれは一時的なもので、すぐに慣れてしまうものじゃよ」

弟子
「へー、そうなんだ。」

師匠
「どうあがいても人間は”1人で逝く”という事実は避けられない。
これはヒトだけに限ったことでなく、地球上の生き物全ての宿命じゃ。」

弟子
「確かに、、そうですね。」

師匠
「中でもヒトは社会を形成し、相互扶助という団結力を持って、
他の生物にはない、生命の安定を築き上げた。
ヒトはそうして、人と人の間に重きを置く”人間”と進化したのじゃ。」

弟子
「なるほど、そういうことかぁ。」

師匠
「しかし人間は所詮”1人のヒト”である。
だから”生きる”ことと”孤独”は、イコールなんじゃよ。」

弟子
「でも孤独なんて、なんだか気が滅入るなぁ。」

師匠
「まぁ今説明したのは大げさで根本的な理屈じゃ。
旅先には必ず人間がいるから、”孤独”ではないってことじゃよ。
いつでもどこでも人間と交わることができるから心配いらん。」

弟子
「わかりました。でもそれが国内では大丈夫っぽいけど、
海外となれば言葉や文化の違いがあるので、なんか不安です。
僕は英語すらまともに話すことができないから。。」

師匠
「言葉はただの道具に過ぎない。大事なのは”意思”じゃ。
コミュニケーションの根本は、意思のやり取りなのじゃよ。
なにも言葉だけが意思を表すものではない。」

弟子
「さすが英語が役に立たない国や地域に実際行ってる
だけあって、説得力ありますね。その国の言葉が話せないと
旅ができないという先入観は間違いなんですね。」

師匠
「うむ。あと文化に関しては、その国でしっかりローカルを観察
および洞察し、柔軟な気持ちで理解することじゃ。
また、これを行うと人間としての”器”が大きくなるものじゃよ。」

弟子
「それって進化ですよね。しかもその器を育てて行くことが
争い事のない世界平和に繋がるような気がします。
なんか慣れた社会に、どっぷり浸かり過ぎている場合ではない
と思ってきました。」

師匠
「旅にはそういった”意志”も大切なのじゃ。いわゆる”志”じゃ。
意志の力は強靭ゆえ、軟弱な恐怖心を寄せ付けない。
自分なりの大義名分を持って旅に出れば、
あらゆる困難をも乗り越えることができるものじゃよ。」

弟子
「なんか人生も旅のように思えてきました。
しかもこれから”個の時代”に入っていく流れの中で、
海外一人旅によるマインド修行は必須であると思いました。」

師匠
「うむ。したらばボヤボヤしている場合でない。
限りある人生を大いに愉しむ旅に出るのじゃ!」

 

会話が終わるとともに、師匠は踵を返し山へと帰って行った。
師匠を見送る弟子の目は、生きる情熱で満ちていた。



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戸茂 潤(とも じゅん)

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