丸腰の非正規労働者が独立し国際交流を楽しむ。一匹狼で人生を欲望的に生きる一風変わった豊かな生活。

不安が襲う初めての海外旅行(一人旅)へ出発

旅の計画段階では
好奇心と冒険心が強かったためだろうか。

”人生初めての海外渡航で、しかも一人旅”
という無謀なことに対して
特段不安は無かった。

しかし海外一人旅への出発日が近づくにつれ、
次第に気が重くなっていく。

その不安は出発前日に最高潮に達した

不安

「明日の今頃は、もう日本にいないんだ。。」

脳が現実的想像を捉えた瞬間から、
思考が変に活発化し、不安定な状態となる。

この世に生まれて1日も欠くことなく、
日本という国の中でのみ
”呼吸し、食べて、寝る”という
当たり前の行為をしてきた。

それはすなわち、
”守られた世界の中で生きること”
しか知らないということ。

悪魔の囁きに煽られ、
「やはり行くのを辞めようか。。」
と弱気な状態にまで落ちる。

しかし今回のミッションを遂行すれば、
自分が大きく変われるような気がするため、
最終的に決意は揺らがない。

高度な知識を持った動物・・・人間。

DNAに組み込まれた”生きる”という本能。

未知の世界への恐怖心は人間である以上、
ある種の通過儀礼と捉えるべきだ。

 

しかし面白いもので出発当日になってしまえば、
不安は消え、一端のソルジャーへと変貌を遂げる。

体内にはアドレナリンがみなぎり、
まるで戦地へと向かうかの如く精悍な顔つき。

空港にて難なくチェックイン、出国手続きを済まし、
まずはソウル金浦空港へと飛び立つ。

 

ソウルで2時間ほど時間をやり過ごしたあと、
いよいよニューヨーク行きに搭乗。

ソウルからのフライトは、およそ13時間。

機内は満席御礼。

窮屈な空間に閉じこまれ、客室乗務員によって
機内食が定期的に与えられる。

まるで家畜になった気分。

機内の乾燥が激しいため、唇が割れる。

足は靴を履くことが難しいほど浮腫む。

自由に羽ばたき叫びたい気分に襲われる。

ウトウトしては目覚めの繰り返し。

しかも目覚めるたびに同じ空間。

もう何年間も
機内という閉ざされた空間にいる感じ。

陸が恋しい。

これがエコノミー症候群というものか。

しかしある程度の時間をやり過ごすと、
”無”の状態になり気分は楽になる。

マラソンのランナーズハイみたいなものか。

恐るべし”適応”。

 

機内空間に安定さを見出すと、
逆に陸の世界が面倒に思えてくる。

名付けて、機内引きこもり症候群。

”無”になってからの時間の経過は速い。

やがて、
着陸態勢に入るアナウンスが機内に流れる。

窓から眼下を見下ろすと、
オレンジ色の灯りを放つ夜景が目に入る。

その灯りはマンハッタン島の形を
くっきりと浮かび上がらせている。

夢から現実世界へのスイッチが入る。

「やばい、
ギャグのつもりが本当に来てもうた。」

一気に手のひらと脇から変な汗がにじみ出る。

もしこれが”ゲーム”であり、
リセットボタンが存在するなら、
機内引きこもり症候群にかかった
気の抜けたコーラのような僕は、
そのボタンを押していたに違いない。

それだけの不安に陥っていた

 

処刑台に送られるような気分で、
定刻通り21時にジョンFケネディー国際空港到着。

よく分からないまま人の流れに乗り、
なんだかかつて味わったことのない
重苦しい雰囲気漂うイミグレーションに到着。

相変わらず手と脇に汗を掻きながら、
虎視眈々と順番を待つ。

何も後ろめたいことはしてないが、
「自分だけ入国拒否されやしないか。」
「英語ができないため拒否されやしないか。」
など意味不明な思考が頭を巡る。

旅のフレーズ集に記載されている
”入国審査で聞かれること”を、
入念に再確認する。

うまくヒアリングできない場合は、
とりあえずフレーズ集に載っていることを
一方的に全て言う作戦。

 

僕の順番が来た。

緊張で足がすくみながらも、
教科書通りの質問に浮ついた声で答える。

パスポートに記念すべき初スタンプが、
”ドンッ”という低い音で押され、
「welcome」という言葉とともに
係員からパスポートを返された。

入国成功だ!

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戸茂 潤(とも じゅん)

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