丸腰の非正規労働者が独立し国際交流を楽しむ。一匹狼で人生を欲望的に生きる一風変わった豊かな生活。

安宿街メインバザールのローカル映画館に宣戦布告@デリー

デリーのメインバザールは、理想のアジア的カオスだ。
砂埃が舞い、露店が連なり、人々や動物が行き交っている。

騒々しく、熱気が満ち、活気溢れる。何でもありといった感じ。
このごちゃごちゃ感がバックパッカーには堪らない。

ゲストハウスの入り口に腰かけ、
バザールの流れを観察するのが面白い。

リヤカーで力強くモノを運ぶ人、サイクルリキシャ、野良牛、
デジタルの介入していないアナログの世界だ。

そこには先進国にはない現実味のあるパワーが溢れている。
戦後日本もこういう活気に満ちていたのではないかと想像する。

他の国では堂々と歩いている欧米人も、
ここではカオスにのまれないように4人縦列で逸れないようにし、
ビクビクしながら歩いているため面白い。

 

朝食はラッシー、昼食はパン、夜はカレーが定番となった。
メインバザールは観光エリアでなく庶民エリア。
そのため食堂は、ほぼカレー屋。
カレーも様々な種類が用意されている。

デリーのカレーはライスで食べない。
北インドスタイルである、小麦粉を延ばして焼いたチャパティだ。
チャパティの高級バージョンが”ナン”である。
米で食べるのは南インドスタイル。

 

子供が露店の店番をやっている姿もよく見かける。
ある少年に年齢を聞くと、10才と答える。

目は精気に満ちており、実年齢よりも逞しく見える。
過保護に育てられている日本の子供とは、ずいぶん異なる。

 

バザールの狭い路地裏は地元民の住まいとなっているため、
インド人の生活を覗くことができるため興味深い。

しかし迷路のようになっているため迷子になることもしばしば。
また夜の路地裏は暗く危険な匂い漂うので注意が必要だ。

 

インドと言えば映画。

整備されたエリアであるコンノートプレイスの映画館へ
下見に行ったが、綺麗過ぎて面白みがないため却下。

そこでメインバザールのオンボロ映画館に行くことにした。

開演前1時間に行き、入口でチケットを事前購入。
事前購入しておかないと、すぐに完売するらいしい。

値段は50ルピーという庶民価格。
押し合い圧し合いでの購入は大変であった。
中にはまだ入れないので、その辺で時間を潰す。

開演時間近くに再び映画館へ行くと、
入口前に人がざわざわと集まっていた。
しかも全員男。かなり濃い。。。

そして「ピーッ」っと、いきなり笛が吹かれる。
すると散らばっていた野郎ども(お客たち)がダッシュで列を作る。
まるで椅子取りゲームのように。

しかも前の人の両肩にがっちりと手をかけ、
割り込みを徹底阻止態勢。

その光景に唖然とした私は列に並ぶことはできず、
引いて傍観していた。
その状態が5分ほど続いたのち、
開場とともに皆中へ入って行った。

私も最後に中へ入る。
館内は映写機のわずかな光があるだけで真っ暗。

どういう椅子の配置になってるか全くわからない私は、
手で目の前にある物の形を確かめながら、
へっぺり腰でよちよち歩く。

とりあえず一番後ろがの小さな通路を歩くことに。
すると何か柔らかいモノを踏んだ。

真っ暗で何も見えないほど怖いものはないが、
何を踏んだかかが全く想像できない。

再び足で恐る恐る確認すると、それは人間であった。
「ワーッ!ゴメンナサイ!!」という感じ。

どうやらこの一番後ろの通路には、
ホームレスの人たちが住み着いているっぽい。

ちょっと目が慣れてきたせいか、上手に人を乗り越え、
適当に座席に着く。

映画はヒンディー語なので内容がよくわからない。
興味深かったのは観客が映画に向かって野次を飛ばすところ。

スクリーンに向かい物も飛び交う。
はっきり言って最悪の映画観賞マナーだ。(苦笑)

私の後ろの席の客は終始興奮状態だったので、
ストレスが溜まり落ち着かなかった。

 

90分が経ち一度休憩時間が入る。
皆ロビーに出てチャイを飲む。

沢木耕太郎の「深夜特急」の1シーンを思い出す。

どこかアラブの国でローカル映画館に行った作者が、
映画が詰まらなかったので途中で映画館を出たところ、
警察に捕まるというシーン。

途中で映画館を出るのは、
爆弾を仕掛けたテロ犯と疑われるらしい。

ここメインバザールでも過去に爆弾テロが起こっている。
しかしあと90分を映画館で過ごすのは時間の無駄と思った私は、
ドキドキしながらも映画館を後にした。

結局、深夜特急のようなシーンは訪れなかった。

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戸茂 潤(とも じゅん)

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