新幹線の中で一人っ子政策にメスを入れる@中国
上海浦東空港に降り立ち、バスで上海駅へと向かった。
リニアと地下鉄を乗り継いで行くと言いう手段もあるが、
面倒かつ費用が高いため、バスを利用した。
またバスは渋滞にハマるデメリットはあるものの、
街の様子などを観察できるメリットがあるのでよく利用する。
今回は新幹線に乗り、無錫に住む中国人友達を訪ねる旅である。
上海駅に初めて来たが、その大きさに驚いた。
さすが中国、土地や空間は贅沢に利用しているといった感じだ。
チケットを買おうとしたが、どこで買って良いかさっぱり分からない。
あるのは自動券売機だけである。
自動券売機で購入するには、中国のIDカードが必要である。
なので旅人は、必然的に有人窓口で購入しなくてはならない。
しかし駅の入り口周辺を探し回ったが、見つけることができない。
適当に係員を掴まえて、英語でチケット売り場を訊ねたが、
英語を理解してくれない。
英語の流通度が低い中国に洗礼を受けた感じだ。
そこで私は、文明の利器を活用することにした。
スマートフォンの有効利用だ。
まず無錫の友人にスカイプ電話し、要件を伝え、
そして私が駅係員にスマホを渡し、友人が要件を伝える。
まぁいわゆる、電話を介しての通訳である。
係員に「我的朋友(私の友達だ)」と言いスマホを渡すと、
戸惑っていたが、有人と会話していた。
そして終話後、有人窓口に案内してくれた。
雑な案内であったが、まぁ作戦成功である。
しかし有人窓口は駅入り口から遥か遠い東という
非常に分かりづらい場所にあった。
これではなかなか発見できないのも当然だ。
南京行きの新幹線に無事に乗ることができ、
快適に無錫新区駅を目指した。
私が外国人なので興味があるのか、隣に座っていた少年が、
読書しながらもチラチラ私を見ていたのが分かった。
いかにも一人っ子政策で過保護に育てられている、
親の操り人形のような子供だ。
表情に覇気は無く、完全に魂を抜かれてしまっている。
芽を摘まれているといった方が、分かり易いかもしれない。
私が時折チラッと少年の方に視線を移すと、
少年は視線を本に向ける。
そんな遊びを何度か繰り返した後、
私は知りうる限りの中国語で彼に話しかけた。
私「こんにちは。あなたはどこの人ですか」
少年はしていなかった読書をすぐに辞め、返事した。
少年「私は無錫の人間です」
人生で初めて友人以外に使った中国語が通じたため
かなり感動してしまった。
しかし通路を挟んだ右後方に座っていた少年の母が
変な外人と話している我が子を監視しているのが分かった。
なんか言ってきたら、
「あんたがこの子の人生を台無しにしているんだ!」
と熱く語ってやろうと思っていた。(笑)
母親の無言のメッセージを無視し、
少年とは下車するまで身振り手振りで会話していた。
私の方がむしろ少年のようであったような。。
しかしながらやはり彼の根は純粋な子供であった。
無錫新区で降りると友人のリンリンが迎えに来てくれていた。
そして彼女の故郷である徐州の料理を食べに行った。
無錫新区という町には、日系、韓国系の工場が多くあるため、
韓国食と日本食のレストランが割と多く存在する。
リンリンも某日系企業で働くキャリアウーマンだ。
そのため日本語が堪能である。
それにしても中国人の歓迎スタイルは慣れない。
これでもかという程、食べ物をお腹いっぱい食べさせられるので
小食の自分は毎度ぶっ倒れてしまう。
同郷のためか、リンリンは店主と仲良さそうに話す。
それで私も、店主に知りうる限りの中国語をぶちまけると
店主は笑い、いたく私を気に入ってくれた。
すると店主は特別な酒を振る舞ってくれた。
真っ赤な色の液体にヘビが入っているではないか。
アルコール度数は、なんと50度らしい。
ただでさえ酒が弱い私だが、親切心と好奇心から
飲んでみることにした。
「カーーーーッ」
一口だけで全身に火が走った。
ごめんなさい、結局残してしまいました。
愉しい晩餐を終え、翌日は無錫市内の観光へと出かけた。
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